受験校を決める前に【愛知県日進市香久山の国語専門個別指導塾】
併願校を決める
弊塾に通う子ども達は、小学生であれば集団指導の塾に行っており、そこで国語を伸ばすためにこちらに通うというご家庭がほとんどです。
また、中学生や高校生も、どこか塾に行っていてそこで教われない内容の指導をこちらで受ける、というご家庭がほとんどです。
集団指導塾に行っていると、ベストのタイミングで相談に乗ってもらえないということもあって、弊塾に相談されるご家庭もあります。
夏から秋にかけて多いご相談の一つに、「受験校の選択」があります。
もう決めているご家庭もありますが、まだ、というのがほとんどではないかと思います。
何を基準に考えて良いか分からない、と悩むご家庭が多いですね。
今日はそこについて少し(といいながらちょっと長いです)お伝えできればと思います。
そもそも受験校はなんのために併願するのか、をまず念頭においてください。
「だめだったときの滑り止め」
という考え方だと、じゃあ行く可能性がない学校ならば受ける必要がない、となってしまいます。
もちろん併願とはそういった目的のためにある仕組みなのですが…なんだかそれだけだとすごく後ろ向きな気がします。
私の個人的な意見ですが、本命に合格する確率をどれだけ上げられるか、という目的のもと併願校を決めることが重要だと思っています。
例えば、本命校を受験する前に押さえとしてどこか併願受験するとします。でも、その併願校がそもそも行くつもりもなく、さらにゆとりをもって合格できるレベルだったとしたらどうでしょう。
そもそも行く可能性がないので、受験しないという選択肢もありますが、ここで本番というものを少しでも経験しておくのが、勝負の分かれ目になることだってあるのです。
よくあるのが、隣に情緒不安定気味な子どもが座ったときです。
鉛筆の音がやたらとうるさい
独り言がやたらと気になる
貧乏ゆすりの音が気になる…など、受験には想定外の出来事があります。こういったことをもし事前に経験できたら、それはラッキーなことです。実は早い日程で入試を行う学校だと、そういったアクシデントは起きやすいのです。そして、入試にはアクシデントはつきものなのだな、という認識を持つことができれば多少の出来事にも心惑わされずに済むのです。
この認識は、特に本番に弱いタイプの子どもに大きな効果をもたらします。受験校が多くなりすぎて、体力的に心配と言われる保護者もみえますが、そこは受験生。そんなやわな鍛え方はしていないはずです。
勉強時間が減る、ではなく、本番でしか学べないものがある、と考えれば良いのです。
愛知県では、中学受験生の受験校数は平均4校(東海圏のみの受験で、関東圏や関西圏はまた違います)ですが、そこを基準にして考えない方が良いでしょう。
あくまでその子の性格や実力に見合った併願校の数を決めるのがベストです。
また、滅多にいませんが、まれに毛が生えた強心臓を持つ子どもがいます。このタイプであれば、本命までに1校か2校受けられれば良いでしょう。ただ、本番にいくら強くても、本命1校一発勝負だけは避けましょう。「ここでしくじったら終わり」という状況は高い確率でアクシデントをもたらします。
当然、満足に力も出しきれません。安心校は事前に一つ押さえておきましょう。
最後に、絶対に大切にしてほしいこと。
それは、「第一志望校」は、たとえ偏差値が届いていなかったとしても本人が行きたい、と思う気持ちを持っているのであれば、受けさせましょう。
受験という目先の出来事だけではなく、リスクをとってチャレンジすることの尊さを学ばせましょう。
目標がある程度高いからこそ友達同士で励ましあったりして頑張ることができるのです。
特に受験直前に驚異的な伸び方をする子どももいます。
逆に、目標がなかったり、すでに届いているような子どもは、意思が強くなければ踏ん張れず、だらだらと過ごしてしまい、直前期に成績が急降下することだってあります。
チャレンジしないリスク、というものあるということです。
本番は一生に一回
先ほども話しましたが、受験生は12歳の経験未熟な子どもです。
「いやいや、経験未熟だなんてとんでもない。たくさんの人が受ける模試を毎月受けているし、週のまとめテストだって受けているから、緊張しないんじゃない?」と思う人もいるかもしれません。しかし、それは大人の発想です。練習はあくまで練習。本番は一生に一回しか受けることができません。
その入試当日会場内でしか分からない雰囲気というものがあります。
あまり聞きたくない話ですが、難関女子校の入試会場(教室)でたまにあることだそうで、試験中にすすり泣く声が聞こえることがあるそうです。
不安と闘いながら必死で勉強してきたにもかかわらず、苦手な科目で全然解けずにパニックのあまり泣き出したり、時には体調を崩したりすることが原因であることが多いようです。
これらは模試ではまずない光景です。
これらに対処するには、間違いなく精神的な強さを手に入れる必要はあるでしょう。
事実、受験後に行う生徒たち向けのアンケートから、「緊張して力が出せなかった」と「不合格という結果」という項目にかなりの相関性が見られます。
本番とは魔物です。テストをたくさん経験してきた子たちでも緊張してしまうのです。
たった12年しか生きていない子どもにとって、精神的な強さというものはそれだけ手に入れるのが難しいのです。ですから、併願校というのは非常に重要です。
どれだけここで本番の空気に触れられるかは大人が思うより重要です。
簡単に、「○○しか行かないから○○だけしか受けない」と背水の陣で臨む人生一回きりの試験なんて、12歳の子どもにさせる合理的理由などありません。
つい、熱くなって語ってしまいましたが、こういった家庭が実は多いのです。
入試本番で失敗してそのままずるずるいく子とそこから復帰する子
本番は何があるかわかりません。
一つ実際にあった例をお話しましょう。
奇しくも、愛知県の東海中学とそして奈良の西大和学園で同様のケースがありました。
今回は西大和学園でのケースについてお話しましょう。
A君とB君という受験生がいました。
模試の偏差値でいくと、A君もB君も80%くらいで合格できる成績でした。二人とも国語が得意で、算数は不得意といったタイプです。偏差値もほぼ同等。いわゆるライバル同士です。
これまで大きな失敗もなく迎えた入試当日。
彼らの運命を分ける出来事があります。
なんと1限目の得意科目である国語で、二人とも思ったより全然解くことができず、精神的にとてもダメージを負ってしまったのです。
B君は一番取れるはずの国語であまり解けなかったことでものすごく焦り、焦燥感をつのらせたまま次の算数に立ち向かいます。
やはり算数は解けません。
当然です。
苦手な上に、精神的に動揺しておりまともに思考などできなかったのです。
元々算数が苦手で、国語・理科・社会の3教科で算数の凹みをカバーしようという作戦でしたから、国語ができなかったことでそれが裏目に出てしまいました。
さらに追い討ちをかけるように、国語以上に苦手な算数ができなかったB君は精神的にボロボロです。
そのまま理科・社会も本来の力を発揮できずにずるずるとミスを連発していきます。
本来彼が持つ高い思考力は見る影もありません。
対するA君も同様に1限目の国語で大失敗してしまいます。
焦りに焦ったA君は、国語が終わった後の15分の放課時間にトイレに駆け込みます。
そこで頭を抱えます。
「どうする?どうする?このままだとやばい…!」自問自答を続けます。
答えは出ません。
そこで、「あーーーーーーーっ!もういい!国語はもういい!忘れろ!」とトイレの個室で叫びます。渾身の声で。周りの子はびっくりしたでしょうね…。
その後席に戻ったA君は、自分でも驚くほど冷静さを取り戻しました。
次の算数では、あまり解けなかったものの、過去問で練習していたときよりもできたそうです。
国語の失敗を振り切るように、理科社会も猛然と解きます。
二人の結果は、どうなったでしょうか。
偏差値はほとんど差がなく、当日も同じアクシデントに見舞われた二人。
A君は見事合格し、B君は不合格でした。
二人の運命を分けたその差は、間違いなく「気持ちの切り替え」です。
切り替えられずにずるずるといってしまったB君と、切り替えがうまくできたA君のそのわずかな差が、大きな結果の差につながったのです。
B君は、涙にくれていました。
そのときに私が彼にかけた言葉が今でも彼を支えているそうです。
まあ…勝てる勝負で負けてしまった子に私がよく言う科白ですが。
「頑張ったものがその人に積み重なって、どこかで生きてくる。君の場合はそれは今ではなかっただけ。腐らずに努力を続ける人間でいられれば、やっていて本当に良かったと心の底から思えるときが必ず来るよ。そういう意味で、人生は平等です。」
成功して終わり、失敗して終わりではないのです。
中学受験を経験して一回り強くなった二人は、その後仲良く同じ大学の医学部医学科を卒業し、2025年現在、愛知県で立派に研修医をしています。
受験はゴールではありません。
人生は平等です。頑張ったらどこかでそれが生きてきます。
